資格が先か行動が先か
内部統制の仕組みを勉強中医者や弁護士のように資格取得が前提条件となっているものは論外ですが、スキルの発展段階を計測する資格については、なにはともあれ資格取得ではなく、実行途中の実力を確認する手段として資格を活用していくことをお勧めします。
わかりやすい例を挙げると、英語を筆頭とした語学系の資格でしょう。海外で就職したいとしましょう。
最近は日本の学生もまじめに勉強しているのでTOEICで700点程度では全く自慢できなくなってしまいました。その一方で、海外で実際に活躍されている方の当初の英語力は500点程度だったり、英語に対して苦手意識を持っていたりと千差万別です。
それならば、国内で高いお金を払って英会話学校に通うよりも、思い切って日本脱出を図ったほうがお得ではないかと思います。何とかなるものです。
簡単に言えば、「習うより慣れろ」なのかもしれません。
私が懸念しているのは、資格取得のために一所懸命勉強するのはいいのですが、途中から資格取得が目的化してしまい、本来目的としていた行動を起こすのが遅れてしまうことです。最悪の場合には、時間の経過と共に当初の情熱が薄れてしまうこともあるのではないかと思います。
それならば、考える(資格を取得する)前に、実行に移してしまうのが近道ではないかと思うのです。
そもそも、一部のIT系の資格を除き、資格取得がそれほど大きな転職にアドバンテージになることはないような気がします。そもそも仕事を始めてしまえば資格など全く関係ありません。
採用活動をする時に様々な資格を列記したり講座の修了証書を添付してくる応募者がいますが、私が採用活動をするときには若年層を除きこれらの点はほとんど考慮していません。学ぶ意欲は大切ですが、職場に馴染むか・どのような貢献をしてくれるかの方がはるかに大切だと思うのからです。
一昔前であれば、激しい競争を勝ち抜くための頭一つ分の差別化要因として、資格取得は有効であった時代もありました。最近はそもそも応募者の差が大きいので採否に悩むことはありません。「とても欲しい」か「全くいらない」かの両極端です。2極分化しているのは収入だけではなく人材の質も同じです。
深い知識・経験を獲得するには実務経験が一番効果的、一方で広く体系的な整理が必要な場合に資格取得のための勉強は有効。双方の目的が異なり、前後関係がないなら、どちらから始めてもいいはずです。
それならば周到な準備をしてから走り始めるよりも、まずは走り始めてみることをお勧めします。



