海外で働く(11)中国人はやはりお金が大切
内部統制の仕組みを勉強中数年前に解雇した現地社員を再雇用しようとしています。過去にどうして彼女を解雇したのか理由はよくわからないのですが、空席となったポジションを埋めるためには、彼女の能力が適任と考えています。
更に彼女には、再雇用時にはワンランク上のポジションを準備しようとしています。ここまで拠点の(日本人)経営者も同じ考えです。
但し、解雇した人員の再雇用ですので、本人が気持ちよく働いてもらえるのか、周囲は受け入れてくれるのか慎重に検討しなくてはなりません。日本人にはよくても、現地採用社員には問題があるということもあるでしょう。
彼女は当時勤続22年のベテランでした。シンガポールの雇用慣行は解雇時には、雇用年数×退職時の1か月分の給料の金額を退職金として受け取ることができます。つまり彼女の場合は2年分弱の退職金を受領しています。
その一方で、自己都合退職の場合には退職金は一切支給されません。
また、シンガポールでは解雇された事実が次の職探しにそれほど影響を与えません。かつ若年層から30歳半ばぐらいまでは3-4年位の周期で積極的に転職を繰り返しながらキャリアアップを図っていきます。
となると、彼女の解雇を決めた当時、退職金目当てに「本当は解雇してもらいたかったのにしてもらえなかった」という層が実在していたらしいのです。これが尾を引き、彼女の再雇用時に「たくさん退職金を受け取ったやつが、また戻ってきた」と周囲から噂されることはないだろうかと懸念しています。
また、彼女のワンランクアップのポジションでの処遇についても、「辞めて戻ってくれば昇格できるか」と嫌味を言われるのではないかと心配です。
通常、シンガポールの企業で順当に昇格をしていくというのは非常に困難です。給与もほとんど増えない、肩書きも変らない。これが、転職を繰り返す別の動機になっています。
正直にこの2つの心配を他の現地社員にぶつけてみました。帰ってきた反応は、後者のポジションアップについては、全く問題なさそうです。「肩書きにあった人材を雇用すべきで、人材を見て肩書きを決めるべきではない。まずは、ほしい人材像を明らかにして、適任の人材を雇用するようにすべきだ」との意見が大勢です。
私はもう少し配慮して、肩書きは従来と同じにして我慢してもらい、仕事の内容はワンランク上にするという選択肢もあるのではないかと思ったのですが、見事簡単に却下されました。
もめたのは前者です。猛烈な反発が来ました。ブルーカラー職種ならまだ理解できるのですが、他業種比決して劣っていない給与水準を支払っている一般事務管理の職種で、これほど従業員がお金にこだわりを持っているとは想像だにしていませんでした。
シンガポールは中国人ネットワークの中でもあまり中国人らしくない国と思っていたのですが、そうでもなさそうです。
でも、何を言われようと彼女は雇用します。私も日本人としての(?)意地があります。



