海外で働く(1)組織の課題・運営手法を分析
内部統制の仕組みを勉強中先週、異動先の当課の課長が突然退職するとのアナウンスがあり、私の上司が「ダンディー君が実質課長としてがんばってくれ」と言われたが、権限を伴わない“実質課長”は断ったことを書きました。
前回記事: 海外生活(17)海外でも年功序列の妨げ
しかしながら、断れば何とかなると思うと大間違いなのが海外勤務です。”実質課長”と呼ばれるか否かの違いだけで、課の運営は待ったなしで押し迫ってきます。
まずは、この課でどのような仕事が誰によって行われているのか、把握しなくてはなりません。そこで、現在5名の課員(長)がそれぞれ担当している課の仕事のうち定例的な作業をリストにして、時系列的要素を加味するためにカレンダー式に展開しました(ガントチャートに類似)。さらに、その表に難易度と作業負担度をそれぞれ5点満点(数字が大きくなるほど難易度・負担度が高い)で自己評価させました。
すると、仕事の種類は大項目分類総数で72種類存在し、難易度および作業負担度の自己評価平均が、5点満点の内それぞれ1.8と1.7でした。当課はこれでも課名に「企画」の名前がつく組織なのですが、名前とは裏腹に、“単純作業”が数多く存在していることが判明しました。分解された1つ1つの要素の確認も行いましたが、無駄と思われるものはほとんどなく、単純明快な伝統的アプローチでは改善は期待できそうにもありません。
次に全員とのインタビューを実施しました。ルーティン業務の実態は上記調査結果とほぼ一致するようです。但し、日本の本社からの調査・要望事項の取りまとめや、システム開発の要件定義、UATの実施、訴訟案件処理等々のプロジェクトベースの業務が別に存在し、それらについては、非常に難易度が高いと感じていることが判明しました。但し、稼動中のプロジェクトの数はそれほど多くはないので、忙しいというほどでもなさそうです。他課と比較し残業時間も長時間とはいえないので労働環境は悪くないと判断できそうです。
一方で、「企画」系の宿命なのか、もう少しクリエイティブな仕事ができないのか、全体を仕切る統括的役割を担えないのかとの周囲からのプレッシャーがかなり強い様です。当課のスタッフも周囲の期待に答えようとしているもののどうしてよいのか方法がわからないようです。「企画」の名前がつく組織は日系企業に特有のようでして、現地社員にはなじみがありません。これまで日本人抜きで運営ができたこと自体不思議です。



